不可能だったTHzによる水の測定を実現した「渡部メソッド」

MiMoiは基盤技術としてフェムト秒(千兆分の1秒)パルス光源を用いたテラヘルツ電磁波計測技術を採用しています。しかし、テラヘルツ波は水の吸収が大き過ぎ、1ミリの厚みだと何も情報が得られません。セルなどで薄い液膜を作ると多重反射や板表面の汚染が測定を邪魔してしまいます。

渡部メソッドでは、数十ミクロンという薄く均一な液体の膜を空中に生成し、テラヘルツ波による直接計測を可能にしました。さらにディスポカートリッジを採用する事で前処理等の手間がかからず、汚染の持ち越しのないピュアな計測データ取得を実現しました。フェムト秒という極めて短い時間の計測をつないだテラヘルツ波の観測により、ストロボ写真を取るように水分子を含むダイナミックな状態の変化が反映されます。

これらの複合的な工夫の積み重ねにより、液体状態を分子レベルで非破壊に、そして瞬時で計測する事が可能となります。

従来の測定は分子集団全体の変化をまとめて測るマクロな測定と、分子やその内部構造を突き止めるミクロな測定に大別されますが、渡部メソッドで得られる世界は両者をつなぐ分子間相互作用のありのままの複雑さの情報です。得られるデータはあらゆる液体状態を内包しており、様々な職人の感性と関連するパラメータを与える事で、所定の目的に沿った液体状態の指標をグラフ化する事が可能となります。